2月5日 参議院予算委員会

有田芳生議員(民主党・新緑風会)が
国会で新国立競技場について質問しました。

2014年2月5日 参議院 予算委員会
発言者 有田芳生(民主党・新緑風会)

2020年オリンピックのイメージは?

有田:まだまだお聞きしたいことあるんですがあの、国民にとって大事な東京オリンピックについての話もしないといけませんので今からそっちの方向について話を伺います。
まず総理に伺いたいんですけども、2020年の東京オリンピックについて東京都はコンパクトなオリンピック、あるいはソーラーパネルや低公害車を使ったエコロジカルなオリンピックという風に何度も言っておられます。
総理も最終プレゼンの中でスポーツを通じて世界をより良い場所にしていこうと思うと語っておりましたけれど2020年オリンピックをどのように作っていくのかイメージとして国民に伝わるような説明をお願いします。
安倍(内閣総理大臣):私は昨年のIOC総会においてスポーツを通じて世界をより良い場所にしていこうと、そのためにIOC委員の皆さんと一緒に働いていきたいということを申し上げた後でございますがこれはオリンピック精神、すなわちスポーツによる人類の調和の取れた発達と平和な社会の推進という考え方を世界に広げていくという事と共に我が国がその事について積極的に貢献をしていく決意を述べた後でございます。
2020年の東京大会は東京のみならず日本全体の祭典でありました。我が国全体が活力を取り戻す弾みとしていきたいと思います。と共にオリンピック精神を世界に広げていく契機としていくように東京都や大会組織委員会とも連携して取り組んでいく考えであります。
尚、今ご指摘がございましたようにコンパクト、エコロジカルなオリンピックについては東京都がIOCに提出致しました立候補ファイルにおいて半径8km圏内に85%の競技会場を配置するコンパクトな会場配置、そして二酸化炭素の排出の縮小、都市の緑化の促進等環境に配慮した大会運営を行う事が記載されているところでございます。
同時にパラリンピックでもございますから世界の方々が日本にやってきて障害者の皆さんにとって東京という街はバリアの無い行きやすい、そしてチャンスのある、障害者の皆さんにとってもチャンスのある街だという事を理解をして頂けるような大会にしていきたいと考えています。

東京オリンピック、パラリンピック関連の予算案

有田:文科省にお聞きします。13年度補正予算において東京オリンピック、パラリンピック関連の予算案、内容はどのようになってますか。具体的にお示しください。

久保(文部科学省スポーツ・青年局長):平成25年度補正予算案ではオリンピック、パラリンピックに関係する経費としまして208億円を計上しております。
具体的には2020年東京大会メインスタジアムとなります国立競技場の改築に向けて現在の国立競技場の解体工事やJSC本部の事務所の移転準備などの改築関連事業費200億円、さらにトップレベルのアスリートの利用しますナショナルトレーニングセンター等におきましてパラリンピック選手等の利便性向上を図るための自動ドア設置工事等のための経費となっております。

有田:今パネルで見て頂きますけれど新国立競技場、こういうデザインが出ておりますけれどもこれに基づいて下村大臣、いらっしゃいますか? 具体的に規模とか予算とかそういうものをお示し頂けますか?

下村(文部科学大臣):国立競技場の改築については2020年オリンピック、パラリンピック東京大会やその後の国際競技大会の主会場を担うスタジアムとして活用できると共に時にはイベント等の文化的な活動においても利用できるよう必要な機能を備える必要があると考えております。
この事を踏まえ建設規模については観客収容約80,000人、延べ床面積約22万㎡としております。また改築にかかる工事費については競技場本体の建設費1388億円、解体費67億円、周辺整備費237億円の合計1692億円を上限としております。

新国立競技場の収容人数とほかのスタジアムとの比較

有田:収容人員80,000人と仰いました。このスタジアム作るのは日産スタジアム、あるいはロンドンのスタジアムを参考にしたと聞いておりますけどいかがでしょうか?

下村:IOCに対してですね、JSCあるいは東京都からの1つの約束としてまたこのような国際的な競技大会を開く1つの目安としての80,000人それを規模として考えて設計をしております。

有田:日産スタジアムの予算はいくらでした? 作るのにいくらかかりましたか?

久保:日産スタジアムの場合は本体工事費で約700億と承知しております。

有田:日産スタジアムと同時にロンドンのスタジアムも参考にしていますけれどもロンドンはいくらでした?

久保:ロンドンにつきましてはちょっと今手元に数字がございませんのでお答えすることができないということです。

有田:ロンドンは約800億円です。日産スタジアムも約600億強ですけれどもそれに比べて日産スタジアム71000人ですよ。今度の東京オリンピックの会場は80,000人にするって言うんだけれども先程大臣が説明されたように1388億円かかる。なんでそんなお金がかかるんですか?

久保:日産スタジアムの本体工事費、今600億、周辺整備100億で合わせて700億でございますけれども新しい新国立競技場につきましても本体の工事費自体には地下駐車場ですとか映像システムがございますのでそれを差し引きしますと日産スタジアムだと200億くらいの差になると思います。
国立競技場の場合にはそれに加えまして開閉式屋根ですとか可動席、それにオリンピック関係の観客にするための空調あるいはLED等が加算しましてこういう数字になってる訳でございます。

有田:新国立競技場80,000人は常設の座席ですか?

久保:常設でございます。

有田:ロンドンはいかがですか?

久保:ロンドンの場合は一部仮設でオリンピック終了後縮小した形になっています。

有田:ロンドンは55,000の座席で3分の2が仮設なんですよ。圧倒的に少ないんですよ。そうじゃないですか?

久保:規模的には今おっしゃられた通りですけどロンドンの場合はちょっと違いまして他にラグビー専用の競技場、あるいはサッカー専用の競技場、いずれも80,000人規模でございます。日本には80,000人規模の競技場は1つも無いという意味で決定的な違いがあるかと思っています。

新国立競技場計画が巨大すぎることによる問題

有田:この見て頂いてるデザインというのは本当に流線形でザハ・ハディドさんというイラク出身でイギリス人なんですけどもデザイナーが作ったもので、昨日の夜のニュースなんかでもこの映像がずーっと報じられているんだけども、これあのーいつも上から見た映像なんですよね。
ところが人間の視点で見たらどうなるのか、次にちょっとパネルをお示しください。そこを歩く人間の目で見たらどうなるのか。簡単に説明します。上が東京体育館前をJR千駄ヶ谷駅前から見たものです。左側にある建物が東京体育館です。
今度の建物ができると東京体育館がもう、小屋のように見える、こうなってしまう。あるいは下にあるのが明治公園前、明治公園ってのは今休みになるとフリーマーケットなどで本当に賑わっておりますけども、今度の建設によって一部移転をする。言ってしまえば明治公園が無くなる。その後にどうなるのかというとこういう凄いコンクリートの建物ができるんですよ。
あるいは2枚目、お示しください。上が日本青年館前です。日本青年館ってのは今でもコンサートが行われておりますし、まあ総理なんかも覚えていらっしゃいますでしょうけれどもテレビのドリフの番組なんかが公開収録された場所なんですけれどもそこも無くなるんですよね。
で、どうなるかっていうと右見てください。凄いものができる。更に下が首都高速の外苑インターチェンジ入口付近、ここは今でも年寄から若い人達から散歩のコースになってるけれども、今度この新国立競技場ができるとすっごい壁が出てくる。下村大臣いかがですか? こういう事知ってました?

下村:まずロンドンとの違いですけど、先ほど局長が答弁をしましたように、ロンドンには既に他の80,000人規模のいろんな施設があると、しかし東京は無いということの中で今回はオリンピック・パラリンピックだけでなく2019年にはラグビーのワールドカップがあると、それから国際競技等についてはですね、80,000人規模が国際水準となっている中でIOCに対するこの80,000人規模についても約束事であるという前提がまずあります。
でその中でまあご指摘のようにですね、しかし新しい競技場については当初の計画からはですね、80,000人規模というのは維持しながら縮小しようということで延べ床面積を大幅に縮小し、約22万平米としたところでございます。
この事によって当初のですね、設計デザインに比べますと相当圧迫感を与えない規模に縮小できたのではないかと思っています。

有田:パネルをごらんください。今ある国立競技場と新国立競技場ができた場合の規模と敷地の比較です。敷地はほぼ一緒なんですけどそこにできる建物がずーっと巨大なものになっている。この事で様々な周辺に問題が出ているんですけども、まずこの神宮外苑の地域の歴史的経過についてご説明ください。

久保:これらの地域の歴史的な背景といたしましてはまずこの地域は明治神宮内外苑の周辺でございます。この付近は大正期に整備されまして神宮に奉納された樹林等の豊かな自然環境を有しておりまして、大正15年に風致地区に指定されてるという経緯がございます。
この地区はそういう意味では森林など自然環境と都市の風致を維持するために都市計画法に基づいて地方公共団体が指定する地域となっているところでございます。

有田:明治神宮内外苑というのは100年の歴史があり緑が育ってきて、今でも休みになれば若い人からお年寄りから、そしてタクシーの運転手さんが昼寝をする場所とか、本当に都民の憩いの場所になっているんですよね。
それがこういうでっかい建物ができることで様々な問題が出てくる。今お話になったように東京都の風致地区の第一号ですよね? それでよろしいですか?

久保:すいません、その事実関係は承知しておりません。

デザイン案を決めた後に都市計画を
変更(高さを緩和)しているのはおかしくないか?

有田:大正に風致地区の第一号になってるんですが、じゃあ高さ制限容積率の変化はどのようなものですか? つまり具体的に分かりやすく言って頂くために今ある国立競技場の高さはどれくらいですか? それが新しくなればどの位の高さになりますか?あるいは左右の幅何mが何mの広さになりますか? 具体的にお示しください。

久保:高さにつきましては今の国立競技場は30.6m、これが改築後は75mの予定でございます。建築面積につきましては33716㎡が79100㎡、土地面積は71000㎡が113000㎡、土地面積だけで1.6倍ということでございます。

有田:つまりはわかりやすく言えば今30mくらいなのが新しいのができると75mの高さがさっき見ていただいたようにずーっとできてくる。
しかも今の国立競技場は左右という言い方をすれば約220mなのが今度は400m、2倍になるんですよ。だから物凄く敷地を圧迫する。その事で色んな問題が出てきてるのはご承知ですか? 文科省にお聞きします。

久保:様々な緑の量の問題、あるいは人の交通の問題等色々とございます。これにつきましては最初デザインをコンクールする時から設置者である日本スポーツ振興センターに聞きましても充分考えておりましたが、今後具体的な設計、実施施工に至る段階で色々と考えながら、あるいは工夫していきたいと考えているところでございます。

有田:時間があればお聞きしますけどもこのコンペにも様々な問題があって結局さっき示したような本当に巨大な建物ができる、でそのデザイン案ができてから都市計画が変わってませんか? 先にデザインありき75mありきでその後にデザインの後に75mにしたんじゃないですか?

久保:今回行われました国際デザインコンクールは具体的な基本設計なり実施設計の設計コンペと異なりますので具体的な形はこうなるとか、詳しく決めたものではございません。
他方で都市計画を変更するためにはこういう施設にしておかないと、こういう形状のものでないと、だから都市計画を変更して欲しいと提案者の具体的な内容が必要でございますので、それが必要な限度でデザインを先に考えたという訳でございます。

有田:普通は都市計画を考えてその後にコンペをやるのが順番じゃないですか? 逆じゃないですか?

久保:そういう意味では具体的な基本設計実施設計は都市計画変更の後にやるわけでございまして、全体のデザインをどうするかというのを先にやったというだけの話でございます。

有田:だけの話ではないんじゃないですか? 先にばかでかいものを作るということが決まってそれで予算が1300億から一時3000億になって、それでこれじゃあ規模がかかりすぎるなといってまた縮小してきたんだけども、始めから3000億かかるようなデザインを選んだじゃないですか。違いますか?

久保:あくまで国際デザインコンクールを行いましたのはデザインの形を決めるものでございまして、その後具体的な都市の様々な規制にあわせて具体的な基本設計を行っていくと、それはあくまでも都なり区の色んな規制を踏まえてのものになるという意味でございますので先にデザインを行ったというのが順序逆転してるという事ではないと考えております。

有田:デザインコンクールでザハ・ハディドさんから模型の提出はありましたか?

久保:模型の提出は求めておりませんので特にございません。

有田:これが異常なんですね。やはりそういうものは有るのが普通だってのが、これは国際的な建築家の槇文彦さん達、まあ昨日日本外国特派員協会でも記者会見をやっておりますけども、そういう当たり前の道筋を通らずに先に70mから75mを作るという事を決めて、その後に都市計画を変更してる、これおかしいんですよ。おかしくないですか?

久保:繰り返しになって恐縮でございますけど、国際デザインコンクールにつきましては具体的な基本設計、実施設計でない全体の形をどういうデザインにするかというコンクールでございますので、その形を決めてそれをこういう形でありますよということを踏まえて提案を都に致しまして、都はそれを受けて都市計画の変更が必要があるかということを手続きを踏んで頂いた訳でございます。

ザハ・ハディドさんへの謝礼は?

有田:おかしな選考経過なんですが、ザハ・ハディドさんへの謝礼はいくらですか?

久保:賞金が2000万円と、あと監修料が3億円と聞いております。

有田:これから監修料などを含めて13億お払いになるんじゃないですか?

久保:それにつきましてはまだ決まっておりません。

有田:さっき示したような上からだけのデザインコンクールをやってそこに賞金2000万円、さらに今後監修料として13億払うと、これは自民党の無駄遣い撲滅プロジェクトにそう返答されてるんですよ。大臣いかがですか? ちょっと普通の金額じゃないんではないかと思いますけども。どうお考えですか?

下村:まあこのデザインがですね、選ばれたということでこのデザインを基本ですが、デザイン通りの設計ではなくて、これは当初の案よりも相当縮小してですね。コンパクトにしております。ですからコンパクトの中での設計でのことですので、今局長から答弁がありましたが、金額そのものもですね、変更ありうる話だと思います。

新しい国立競技場は、自然や周辺住民を守れるのか?

有田:東京都が専門家もいない都市計画審議会の中で議論もなく決めてしまってですね、現地である渋谷や新宿区の例えば都市計画審議会などでは、これは問題だと、なんとかして欲しいという意見が出てるんですよ。
それはやはり自然を守らなければいけないというだけではなくて、人間を守らなければいけないんですよ。文科大臣いかがですか? 周辺住民への影響、どうお考えですか?

下村:風致地区ということもございましてですね、できるだけ周辺の方々の意見を聞きながら配慮していきたいと思います。
一方で80,000人規模というのはですね、先程から申し上げてますが国際的な競技スポーツの基準としてはですね、これは目安でございますので、だからどうしてもその規模の施設を作るということはこれは必要なことでありますし、つまりこれはオリンピックだけでなく2019年のワールドラグビーもありますし、それ以降についても国際的な競技等是非招致するためには受け皿が必要であります。
ですからそういう両方のですね、バランスの中で地元の理解を得られるようにしながら配慮していきたいと思います。

有田:オリンピックは成功させなければいけませんけれども、しかし人間を蹂躙するような形ではまずいと思うんですよね。私現地の住民にもお話を伺いました。
例えば今ある国立競技場でコンサートが行われると物凄い音響が響いてくる。まあ年に1,2回だから我慢をされてるけども、例えば中にコンサートの観客が50,000人いてもファン達がその周りに30,000人くらい来るんですよね。そしてダフ屋もいたりですね大変な混乱がある、音楽は聞こえてくる。
ところが今度新しい競技場ができるとさっき示しましたけれども、目の前に、今だったら70m先に歩行デッキがあるからそこを人が歩いているのが見えるんだけど、今度は自分の家のマンションの目の前に人がずーっと何万人もの人達が歩いていく訳ですよ。そういう影響、考えていらっしゃいますか?

下村:まあご指摘のようにですね、音楽等のコンサートについてはそのような事から年に1回程度しか開催しないということが、これまでの国立競技場の在り方でありました。
しかし今回新たな国立競技場においては収益性も是非確保する必要があると、そのために大規模なコンサートについても年1回ということではなく、市場調査した中でですね、まあ少なくとも年10回くらいは可能であろうと、しかしその場合にはその騒音等の問題がありますのでこれを開閉式で、まあ屋根をつけると。ですからコンサートの時には屋根をつけますのでそのような騒音等で周辺に迷惑をかけないような形でコンサートができるような配慮を考えています。

年間維持費と収益の予測は?

有田:文科省、その今お話にあった年間維持費と年間収益その予測をお示しください。

久保:この競技場の収支見込みでございますけれども日本スポーツ振興センターにおいて試算した額では収入が年間約50億円、支出が、維持管理費が約46億円で、収支につきまして約4億円の黒字と試算しているところでございます。

有田:捕らぬ狸とは言いたくないんですけれども、これから少子高齢化時代においてコンサートで本当に50,000でも80,000でもそれだけの人が集まるか、例えば日産スタジアムだったら71,000人の観客だけれども、そこがいっぱいになるのはサザンオールスターズのコンサートだけなんですよ。
あとはスポーツの時なんかは観客席減らしてるんですよ。そういう現状はあるにも関わらずこれからの収益見通しってのは非常に甘いんじゃないですか? 音楽コンサートをやるにしても。

久保:これにつきましては更に詳細な検証を行うこととしておりますが、ただまあ基本的にはですね5万人であっても8万人であっても使用料というのは一定額で頂く事になりますし、それから現在色んなところに、そのプロモーターに聞いたところによればかなりですね、日本全体でそういうコンサートやりたい所あるんだけども量的な問題もあって充分できていないところもあると、従いまして充分に新しい競技場を作りましても回数はこなせるんじゃないかと今のところは考えております。

開閉式の屋根は本当に必要か?

有田:あの、時間も来ますので急ぎますけれども先程大臣から屋根の話が出ました。屋根を作る事によってかなり予算が拡大したって事はありませんか?

下村:あの日産スタジアムの話がまずありましたので、東京ドームではですね5万人規模ですけども年間30回以上しております。ですから東京でやる場合ですね世界のアーティストを呼べるという事も含めて10回というのは決して難しい数字ではないということでございます。
それから当然開閉式の屋根を作るということで、その部分の費用はかかります。しかし年1回が年10回程度のコンサート等収益事業ができるということで結果的には運営費は赤字にならないと、そういう試算であります。

有田:文科省、開閉の費用は1回動かすのにいくらかかりますか?

久保:屋根を1回動かすにあたって今の見込みでは大体1万円といった感じになっております。

有田:1万円で動くんですか?

久保:それは電気代だけでございますので仮にそれを、人件費がいるとしたらそれはまた別計算になる事はなります。電気代だけで1万円ということでございます。

有田:開閉式の屋根を作る予算、いくらですか?

久保:開閉式の屋根の工事費につきましては現在約120億円と見込んでおります。

有田:148億と言っていたのが減ってきた訳ですからそれは良い事ですけれども、しかし例えばモントリオールのオリンピックで初めて屋根がつくんですけども、実際にはオリンピックには間に合わずに何年も経ってから完成するんだけども結果的に88回開いただけでもうヒビが入ってきたりして大変な事になってるんですが、そういう事はご存じですか?

久保:技術的にも工夫する余地があるということは承知しておりますけれども、この屋根をつけました場合とつけない場合では収支が、つけた場合ですと4億先ほど黒字と申し上げましたが、つけないと約6億近くの赤字になりますので差し引き10億の差が出ると、これはまあ120億ですと12年くらいで元が取れると考えているところでございます。

有田:強風あるいは雪が降った時は屋根はどうされますか?

久保:今回の開閉式の屋根につきましては基本的に競技場ですので芝生を養生するために開けておくのが基本になっておりますけれども雪あるいは暴風雨がどの程度のものかによると思いまして、現実には具体的に運営するにあたってその強度、屋根の強度と暴風雨の強さに応じて適切な判断をしていくことになると思います。

有田:これまでは雨が強風だったり雪が降ったらもう開けてイベントは中止するんだという説明がありましたけど違うんですか?

久保:屋根を開けておくっていうのは主としてサッカー、陸上とかスポーツの場合でございまして、イベントの時には雨が降ると基本的に閉めて雨に濡れないようにするというために開閉式にしていることもございます。

お金も規模も少なくしていく必要がある

有田:2020年のオリンピックの開会式、80,000人入る訳ですけどもその時の冷房費用なんかはもう検討されてますか?

久保:オリンピックだけでいきますとこのコストは18日間で約800万円程度と試算しているところでございます。

有田:あのー要するに何が言いたいのかというとやはり、あんまりにも大きすぎる。それをもっともっとやはりお金も規模も少なくしていく必要がある。
あるいは大臣に聞きますけど国際オリンピック委員会のオリンピックムーブメンツ、アジェンダ21。施設についてはどういう評価をされてますか?

久保:お尋ねのオリンピックムーブメンツ、アジェンダ21におきましては競技施設につきまして土地利用計画に従って自然か人工か問わず、地域状況に調和して溶け込むように建築、改装されるべきであるとされております。
また新規施設の建築および建築地所につきましては地域にある制限条項に従わなければならず、また周りの自然や景観を損なう事なく設計されなければならないと定められております。

有田:あの防災の事についてなどもお聞きしたいんですけども、時間の関係もありますので最後にあの、パネルで北京の鳥の巣とそれから今度新しくできる新国立競技場を比較してもらったらわかるんですけども、新しいスタジアムと北京の鳥の巣は大体同じ大きさなんですよ。ただ敷地がですね、見て頂いたらわかるように2倍あるんですよ。だから周りの住民なんかに対しても、あまり環境問題も含めて影響が無い。
ところが日本は本当に狭いところに大きいものを作ろうとしますから、やはりこれからでも例えば8万席を常設にせずに仮設にするとかですね、様々な工夫をしてやはりお金を減らしていってもらう。それで環境についても優しいものを是非とも作ってもらいたいという風に思います。総理今まで流れ聞いていらしてどんな印象を持たれますか?

安部:あの、まあ確かに有田委員が指摘された論点はですね大切な論点だと私も思います。その意味においてですね、これは大切な都のお金であれ国費であれですね、税金で賄うものでありますからできる限りコンパクトなものであり、他方ですね、これは競技に必要な要求もございますから。この要求を満たしながら景観をあまり悪くしないようにですね、努力を重ねながら更に検討をしていく必要があるだろうと思っております。

有田:次に葛西臨海公園のカヌー会場についてお聞きしたいと思います。

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