「結婚相談所で結婚すると離婚率は低い」と聞いたことがある方は多いでしょう。ただ、ネット上には「離婚率10%」「恋愛結婚の3分の1」など数字がバラバラに出てきて、何を信じればいいのか分からない状態になりがちです。結論から言えば、結婚相談所の離婚率を示す公的な統計はほぼ存在しません。それでも、結婚相談所の仕組みには離婚リスクを下げやすい構造があるのは事実です。この記事では、よく引用される離婚率データの正体を整理したうえで、結婚相談所の結婚が長続きしやすい理由、そして成婚後に後悔しないための相手の見極め方を解説します。
この記事の結論
- 結婚相談所の離婚率を示す「公的データ」はほぼなく、ネットの数字は根拠が曖昧なものが多い
- ただし、結婚前提の出会い・価値観のすり合わせ・第三者サポートという構造が離婚リスクを下げやすい
- 「離婚率が低いから安心」ではなく、交際中にどれだけ本音で向き合えるかが結婚生活の質を決める
「結婚相談所は離婚率が低い」は本当か?数字の正体を知る
ネット上では「結婚相談所の離婚率は約10%」「恋愛結婚の離婚率は30〜40%」といった数字がよく引用されます。しかし、これらの数字の多くは出典が不明確で、特定の調査が独り歩きしている状態です。まずは「よく見かける数字」が何を指しているのかを整理しましょう。
「3組に1組が離婚」はミスリード
日本の離婚率として頻繁に使われる「3組に1組が離婚する」という表現があります。これは、ある年の婚姻件数と離婚件数を単純に比べた数字です。たとえば年間の婚姻件数が約50万件、離婚件数が約18万件であれば、確かに「約3分の1」に見えます。
しかし、この計算は「同じ年に結婚した人と離婚した人」を比べているだけで、同じカップルを追跡したデータではありません。人口動態統計で使われる離婚率(人口千人あたりの離婚件数)は約1.5前後であり、「3組に1組」という数字ほど単純ではないのが実態です。
「結婚相談所の離婚率10%」に公的根拠はない
同様に、「結婚相談所で結婚したカップルの離婚率は約10%」という数字も広く出回っています。しかし、厚生労働省の人口動態統計は「結婚相談所経由かどうか」を区別して集計していません。つまり、「結婚相談所の離婚率」を正確に示す公的統計は存在しないのが現状です。
ネットで見かける数字の多くは、結婚相談所が独自に行ったアンケートや、特定メディアの調査結果です。調査対象のサンプル数や追跡期間がまちまちであるため、「10%」という数字を鵜呑みにするのは避けたほうがよいでしょう。
数字よりも「構造」に目を向ける
では、結婚相談所の離婚率に関するデータに意味がないかというと、そうではありません。正確な数字は出せないものの、結婚相談所には離婚リスクを下げやすい「仕組み」が組み込まれています。数字そのものよりも、この構造的な理由を理解しておくほうが、実際の結婚生活に役立ちます。
なぜ結婚相談所の結婚は離婚しにくいと言われるのか
結婚相談所経由の結婚が長続きしやすいとされる背景には、出会いの前提や交際中のプロセスに特有の仕組みがあります。恋愛結婚やマッチングアプリとの違いを踏まえながら、その構造を見ていきましょう。
最初から「結婚」が前提の出会い
恋愛結婚の場合、交際を重ねるうちに結婚を意識し始めるのが一般的です。そのため、「結婚したいタイミング」や「結婚への本気度」にズレが生じることがあります。
結婚相談所では、入会時点で全員が「結婚したい」という目的を持っています。結婚に対する温度差が小さいため、「付き合ってみたけど結婚する気がなかった」というすれ違いが起きにくい構造です。
価値観や条件のすり合わせが交際前に始まる
恋愛結婚では、金銭感覚・仕事観・子育ての方針といった現実的なテーマについて、結婚後に初めて向き合うケースが少なくありません。これが「性格の不一致」として離婚原因のトップに挙がりやすい要因の一つです。
結婚相談所では、プロフィールの段階で年収、学歴、家族構成、結婚後の働き方の希望などが共有されます。交際前からお互いの条件や価値観を把握できるため、結婚後に「こんなはずじゃなかった」と感じるリスクが抑えられます。
カウンセラーという第三者が関わる
恋愛では、二人の関係に客観的なアドバイスをくれる存在がいないことが多いものです。友人や家族に相談しても、感情が入ったアドバイスになりがちで、冷静な判断が難しくなることがあります。
結婚相談所では、担当カウンセラー(仲人・アドバイザー)が交際中のコミュニケーションをサポートしてくれます。「この違和感は見過ごしていいのか」「相手にどう伝えればいいのか」といった悩みに、経験をもとにした客観的な助言をもらえる点は、結婚後のミスマッチを減らす大きな要素です。
身元確認による安心感
結婚相談所では入会時に、独身証明書・収入証明書・学歴証明書などの提出が求められます。マッチングアプリでは自己申告ベースの情報に頼ることが多いのに対し、プロフィールに嘘が入りにくい仕組みが整っています。
結婚後に「聞いていた年収と違った」「実は既婚者だった」といったトラブルが起こるリスクが低いのは、結婚相談所ならではのメリットです。
恋愛感情の「熱」に左右されにくい
恋愛結婚では、交際初期のドキドキや情熱がピークの状態で結婚を決断することがあります。しかし、脳科学的には恋愛初期のドーパミンによる高揚感は数年で落ち着くとされており、それが「冷めた」という感覚や不満につながることがあります。
結婚相談所のお見合い結婚では、最初から激しいときめきで始まるケースは少ないかもしれません。その分、冷静に相手の内面や価値観を見極めたうえで結婚を決めるため、結婚後に感情の落差が小さく、関係が安定しやすい傾向があると考えられています。
それでも離婚するケースとは?結婚相談所でも起こる落とし穴
結婚相談所の仕組みが離婚リスクを下げやすいとはいえ、すべてのカップルがうまくいくわけではありません。成婚後に離婚に至るケースにはいくつかの共通パターンがあります。
「成婚」をゴールにしてしまった
結婚相談所では「成婚退会」が一つの区切りになりますが、これはあくまで結婚生活のスタートラインです。活動中に「早く成婚したい」という焦りが強くなりすぎると、相手との擦り合わせが不十分なまま結婚を決めてしまうことがあります。
交際中に「結婚後の生活を具体的にイメージできているか」を自分に問いかけることが大切です。住む場所、家事分担、お金の管理方法、子どもについての考えなど、現実的なテーマを話し合わないまま成婚に進むのはリスクが高くなります。
交際中に素の自分を見せられなかった
「嫌われたくない」「いい人だと思われたい」という気持ちから、交際中に相手に合わせすぎてしまう方がいます。結婚後に素の自分が出始めたとき、相手が「こんな人だとは思わなかった」と感じてしまうのは、このパターンの典型です。
完璧な自分を演出するよりも、自分の意見を率直に伝える姿勢のほうが、長期的にはお互いの信頼につながります。
スペックや条件だけで判断してしまった
年収、学歴、職業、外見など、プロフィール上の条件だけで相手を選んでしまうケースも注意が必要です。条件が良くても、日常のコミュニケーションや価値観が合わなければ、結婚生活は続きにくくなります。
「この人との会話は心地いいか」「困ったときに一緒に考えてくれそうか」といった内面的な相性に目を向けることが、離婚リスクを下げる重要な判断基準です。
カウンセラーに依存しすぎた
カウンセラーのサポートは大きな助けになりますが、あくまで第三者のアドバイスです。「カウンセラーが勧めたから」という理由だけで結婚を決めてしまうと、結婚後に自分たちで問題を解決する力が育っていないことがあります。
最終的に一緒に生活していくのは二人自身です。アドバイスを参考にしつつも、「自分たちはどうしたいのか」を話し合う習慣を交際中から身につけておくことが大切です。
離婚しない結婚相手を見極めるための5つの判断基準
「離婚率が低いから安心」ではなく、最終的に大事なのは自分自身の相手選びの基準です。結婚相談所のサポートを活かしながら、以下のポイントを交際中に確認しておきましょう。
1. 価値観と結婚観が致命的にズレていないか
お金の使い方、仕事と家庭のバランス、子どもを持つかどうか、親との関係性。これらのテーマで完全に一致する必要はありませんが、致命的なズレがないかは確認すべきです。
「なんとなく合いそう」ではなく、具体的に話し合ってみることで初めて分かることがあります。交際期間中に意識して話題に出すことをおすすめします。
2. 意見が違ったときの対応を観察する
価値観が完全に一致するカップルはいません。大事なのは、意見が違ったときにどう対応するかです。「自分の考えを押し付ける人か」「相手の話を聞こうとする人か」「歩み寄る姿勢があるか」を、些細な場面で観察してみてください。
結婚生活は長いので、意見の食い違いは必ず起こります。そのときに話し合える関係かどうかが、離婚回避の最も現実的な条件です。
3. 結婚後の生活を具体的にシミュレーションする
「結婚したい」という気持ちだけで進まず、結婚後の日常をできるだけリアルにイメージすることが重要です。どこに住むか、共働きかどうか、家事は誰がどの程度やるか、休日の過ごし方はどうか。
これらを交際中に相手と話し合い、「現実的に暮らしていけそうか」を判断材料にしましょう。理想だけではなく、生活レベルの話を具体的にしておくことで、結婚後のギャップを大幅に減らせます。
4. 「人として尊敬できるか」を基準に入れる
外見やスペックに惹かれて結婚を決めた場合、時間が経つにつれてその魅力だけでは関係を維持しにくくなります。一方で、「この人の考え方が好きだ」「人として信頼できる」と感じる相手とは、困難な場面でも一緒に乗り越えやすい傾向があります。
ときめきの有無よりも、「この人と一緒にいると安心できるか」「尊敬できる部分があるか」を自分に問いかけてみてください。
5. カウンセラーの意見を「材料」として使う
カウンセラーは多くのカップルを見てきた経験があります。自分では気づきにくい相性のズレや、交際中に確認すべきポイントを指摘してくれることがあります。
ただし、最終判断は自分自身で下すものです。カウンセラーの助言を「判断材料の一つ」として受け止め、最終的には自分の気持ちと向き合って決断しましょう。
結婚相談所選びで確認しておきたいポイント
離婚リスクを下げるという観点では、結婚相談所自体の選び方も重要です。自分に合った相談所を選ぶことが、結果的に相性の良い相手と出会い、長続きする結婚につながります。
サポート体制の内容と範囲
結婚相談所のサポートは、相談所によって大きく異なります。担当カウンセラーが付くのか、面談の頻度はどのくらいか、交際中だけでなく成婚後のフォローはあるのか。こうしたサポートの具体的な内容を入会前に確認しておきましょう。
特に「成婚後のサポート」がある相談所は、結婚後に不安が出たときの相談先があるという意味で、離婚予防の観点からも心強い選択肢です。
成婚の定義を確認する
結婚相談所によって「成婚」の定義が異なります。プロポーズ成立を成婚とする相談所もあれば、交際の意思確認だけで成婚とする相談所もあります。成婚率の数字だけを見て判断するのではなく、「何をもって成婚としているのか」を必ず確認してください。
無料相談で聞くべき質問
入会を検討する際は、無料相談やカウンセリングの場で以下のような質問をしてみると、相談所の姿勢が見えてきます。
- 成婚退会後に離婚されたケースはあるか、その際のフォローはあるか
- 交際期間中、価値観の擦り合わせについてどのようなアドバイスをしているか
- 担当カウンセラーの変更は可能か
- 退会時の条件や費用はどうなっているか
こうした質問に誠実に答えてくれるかどうかが、信頼できる相談所かどうかの一つの判断材料になります。
マッチングアプリとの離婚率の違いはあるのか
結婚相談所と比較されることが多いマッチングアプリについても触れておきます。マッチングアプリ経由の結婚の離婚率に関しても、結婚相談所と同様に公的な統計は存在しません。
ただし、構造的な違いはあります。マッチングアプリでは身元確認が簡易的なケースが多く、プロフィール情報の正確性を担保する仕組みが弱い傾向にあります。また、カウンセラーのような第三者サポートがないため、交際中の判断はすべて自分自身で行う必要があります。
一方で、マッチングアプリにも「出会いの母数が多い」「気軽に始められる」というメリットがあります。どちらが良い・悪いではなく、自分の性格や婚活スタイルに合った方法を選ぶことが重要です。結婚への真剣度が高く、第三者のサポートを受けながら進めたい方には、結婚相談所のほうが向いている可能性が高いでしょう。
スピード離婚は結婚相談所で多いのか
「結婚相談所は交際期間が短いから、スピード離婚が多いのでは?」という不安を持つ方もいます。確かに、結婚相談所での交際期間は3〜6ヶ月程度が多く、恋愛結婚と比べると短い傾向があります。
しかし、交際期間の「長さ」と離婚率に単純な比例関係があるわけではありません。恋愛結婚でも長く付き合ってから結婚して離婚するケースはありますし、短期間でも結婚後の生活について十分に話し合っていれば、関係は安定します。
重要なのは期間の長さではなく、交際中にどれだけ本質的な部分を話し合えたかです。結婚相談所の交際では、最初から結婚が前提であるため、短期間でも結婚後の具体的なテーマに踏み込みやすい環境が整っています。
よくある質問
結婚相談所の離婚率は公的に発表されていますか?
現時点では、結婚相談所経由の結婚に限定した離婚率の公的統計は存在しません。厚生労働省の人口動態統計では、結婚の経緯(恋愛・お見合い・結婚相談所など)別の離婚率は集計されていません。ネット上の「離婚率○%」という数字は、個別の調査や結婚相談所独自のデータに基づいていることがほとんどです。
お見合い結婚の離婚率が低いというのは根拠がありますか?
「お見合い結婚は恋愛結婚より離婚率が低い」という言説は広く知られていますが、これも大規模な追跡調査に基づいた確定的なデータがあるわけではありません。ただし、結婚が前提の出会いであること、事前に条件をすり合わせていることなど、離婚につながりやすい要因を事前に潰せる構造があることは事実です。
結婚相談所で結婚して後悔しないためにはどうすればいいですか?
最も重要なのは、交際中に「結婚後の生活」について具体的に話し合うことです。住まい、お金の管理、仕事、子ども、親との関係など、現実的なテーマを避けずに共有しましょう。また、相手に合わせすぎず、自分の本音を伝える姿勢も大切です。カウンセラーのアドバイスも活用しつつ、最終的には自分自身で納得して決断することが後悔を防ぐ鍵になります。
再婚の場合、結婚相談所での離婚率は変わりますか?
再婚に特化した離婚率のデータも公的には存在しません。ただし、離婚経験がある方は「前回の結婚で何がうまくいかなかったか」を振り返っているケースが多く、相手選びの基準がより現実的になっている傾向があります。結婚相談所では再婚を希望する方への対応も一般的で、カウンセラーに過去の経験を踏まえた相談ができる点はメリットといえます。
まとめ
結婚相談所の離婚率は「約10%」「恋愛結婚より低い」とよく言われますが、これらの数字に公的な裏付けはほぼありません。大切なのは数字そのものではなく、結婚相談所の仕組みが離婚リスクを下げやすい構造を持っているという点を理解することです。
結婚前提の出会い、事前の価値観すり合わせ、カウンセラーによる客観的サポート。これらの要素は確かに離婚リスクを低減する方向に働きます。しかし、それだけで離婚しないわけではありません。交際中にどれだけ本音で向き合い、結婚後の現実的なテーマを話し合えるかが、最終的に結婚生活の質を左右します。
もし今、結婚相談所の利用を迷っているなら、まずは無料相談に足を運んでみてください。その際、「成婚後のフォロー体制」「交際中のサポート内容」について具体的に質問し、自分に合った相談所かどうかを判断することが、後悔しない結婚への第一歩です。